ベタだけどぐっとくる「縁」

「縁~むかしなじみ~」を見てきました。ふぉ~ゆ~の舞台は初めてでしたが、次舞台をやる時もチェックをしようと思うほど良い時間を過ごしました。

「縁」の話はベタですが、過疎化の問題や閉塞感が漂う地元を持つ身としては胸が痛かった。私が地元を出たり戻ったりしているので地元に残る気持ちや出ていく気持ちがわかるからかなと。「縁」の登場人物のように内にいなければいけない理由はあるし、外に出なくてはいけない理由もそれぞれあるんですよね。片側から見るともう片側が何もしてないように見えるけど、見せないだけだったり見えていないだけということだったりします。見えてない側にしたらもどかしいのですが、もどかしさを隠しているのでお互い様ですね。

友達に全てを曝け出すことが正しいとは思いません。人生の大切な場面だからこそ誰かに頼らずに自分で問題を解決しなければならないと考える時があるでしょう。友達を頼りにしていないではなくて、自分で決めたことだからこそ周りのせいにせず踏ん張れるんですよね。「縁」では重要な場面だからこそ自分でした決断が予期せぬ周囲への誤解を生んでしまい、仲が少しずつこじれていったのでしょう。「縁」を見ながら、登場人物たちが頑固だったりするので素直になった方が楽だと思ったのですが、自分は弱い部分を出せるんだろうかと考えてしまいました。そして、思い詰めた時に周りは気付いてくれるだろうか。その時に声をかけてくれたらきっと気持ちが楽になるのだろう。「縁」では絡み合った縁が再会を機にほどけていった。

コメディなのかなと思って見ていたのに、話にぐっと惹き込まれていきました。内容はベタなんですよ。でも余韻を引きずる素敵な作品でした。