彼が死んじゃった日

私は元々、KAT-TUN担だった。とはいえ、今もKAT-TUNは好きだ。ただ、恐ろしくタイミングが悪いKAT-TUN担なのだ。ファンクラブには2回入った。最初に入った時は田中担で、アルバムはツアーはまだかと待ち遠しく思ってたところで担当が消えていった。怒り悲しみ淋しさで、ファンクラブの更新はできなかった。アルバムが出ないのもツアーができなかったのも自担のせいだというのは明確で心苦しかったのもあるし、田中くんしか見ていなかったことも原因だと思う。KAT-TUNとして見てなくて、KAT-TUNの田中くんが好きだった数年前。
自分を出すのが上手い2人が抜けたKAT-TUNはどうなるんだろうかと思っていたが、杞憂だった。今まで目立っていなかったメンバーも自分の魅力を出し始めたのか出し方をわかってきたのか、より個性的になったと思う。ドラマ・舞台・バラエティを通じて、KAT-TUNの魅力が自分の中に浸透してきたようだった。KAT-TUNってかっこいいかわいい面白い、メンバーみんなから目が離せないという風に洗脳されていったのだった。
9魂にも行った。ファンクラブに入ってなかったけど、一般でチケットを取ったぐらいKAT-TUNがまた気になってきた。見たら…なんか4人のKAT-TUNも最高!最強!とコロッと落ちちゃう単細胞。ファンクラブにまた入り直しましたよ。
10周年に向かっているKAT-TUNが楽しみだった。

楽しみだったのに。

現実は残酷なもので、ベストアーティストで田口くんの発表がありました。
ステージの田口くん以外の3人は見れるものじゃなかったけど、ダンスや歌がぼろぼろになっている彼らがとても人間らしくて美しかった。大切なものを失おうとしている瞬間は平然としていられるものではないのだと、個人的には安心してしまった。
平然としていた田口くんが怖かった。なんだろう。違和感というか異物感だった。彼はKAT-TUNのメンバーという役割を務めているのかなと思ってしまった。KAT-TUNの田口くんなのにもう田口くんじゃない気がした。

私の中でKAT-TUNの田口くんはその日に死んだ。

また、忘れかけていた怒り悲しみ淋しさが自分の中に渦巻いていく。

だけど、今回は少し違う。4人のKAT-TUNとはさようならだけど、新しい3人のKAT-TUNが見れるという期待がある。3人がつくる新しいハーモニーが楽しみだ。

絶望はしない。3人が絶望じゃなくてきっと希望をくれるとそう信じているから。